【教養】世界を操る支配者の正体 by 馬渕睦夫
「世界を操る支配者の正体。Kindleで買える!」と 尊敬する方がいきなりメッセージをくださったので、即買いました。
最近、 フリーメーソンやユダヤ教等の世界を操っていると言われている集団に興味を持って調べていたので、ちょうど良かったです。
また目次を見てみると、ロシアに関する記述がかなり多そうだったので、かなり興味をそそられました。(7章中4章はロシアに関する内容)
商社での私の担当国がロシア・旧ソ連であり、今年の6月までロシアに駐在していたので、それを知って上記の方は私に勧めてくださったのでしょう。
ロシアのプーチン大統領に対しては
「世界の平和を脅かす危険な人物」
「楯つく人間は裏で殺してしまう人物」
「他国を侵略し、ロシアに併合してしまう人物」
と、ネガティブなイメージを持っている人が多いのではないだろうか。
しかし、この本を読むと彼のことを「世界を飲み込むロスチャイルド家に対抗する唯一のヒーロー」と思うようになるかもしれない。
恐らくロシアに対する新たな見方ができるようになる。
まずはタイトルにもなっている「世界を操る支配者の正体」は誰かと言う問題。
筆者はそれを下記の通り、「国際金融資本家」と言っている。
「真の支配者は誰かというと、一般大衆が持つべき意見をメディアの洗脳によってコントロールしているメディアの所有者、国際金融資本家たちということになる」
また下記のようにも言っている。
「国家にお金を貸している者こそ、歴史を操ってきた人たちである。」
国際金融資本家、国家にお金を貸している者とは具体的にはロスチャイルド家が代表であるとのこと。
ロスチャイルド家が巨万の富を得、国家にお金を貸している背景は下記の通り。
1) ネイサン・ロスチャイルドがナポレン戦争でのイギリス勝利のニュースを誰よりも早く入手。
2) 持っていたイギリス国債を大量に売る。
3) 「情報通のネイサンがイギリス国債を売ると言うことはイギリスが戦争に負けたということだ。」と市場は勘違い。イギリス国債を大量に売り、その価値が暴落。
4) 価値が暴落したイギリス国債をネイサンが買い戻し。
5) その後、イギリス勝利のニュースにより、イギリス国債の価格が急騰。
6) ネイサンは一気に巨万の富と大量のイギリス国債を入手。つまりイギリスに多額のお金を貸していることになる。
またナポレオン戦争にてヨーロッパ各国もお金がなく、多額のお金をロスチャイルド家に借りることになり、ロスチャイルド家はヨーロッパ経済における覇者となる。
その後、ロスチャイルド家は各国に民間の通貨発行銀行を作り、通貨発行権を握ったのである。
好きな時に好きな分だけお金を生み出せる。まさに経済の支配者=国の支配者となるわけだ。
ちなみに日本銀行の株式は55%を政府が所有しているが、残りの45%は民間が所有しており、その45%の中の幾らかをロスチャイルド家が保有しているとのこと。
アメリカの南北戦争もイギリスが南部に対して扇動工作を行い、戦争勃発。
ロスチャイルド家が裏で手を引き、アメリカも支配していく。
もちろんアメリカの中央銀行の株主となり、通貨発行権も握ってしまった。
そのロスチャイルド家が次に目指すものは、グローバリズムによる世界政府の樹立である。
国境の廃止、政府の規制廃止、移民の自由化等のグローバリズムにより、国と言う概念を失くし、一つにした世界を支配しようとしているのである。
もはや漫画や映画のような話であるが、ここで登場するのが、ロシア・プーチン大統領である。
筆者はこのように言っている。
「現在の世界は、グローバリズムとナショナリズムの壮絶な戦いの真っ只中」「ナショナリズムの雄はプーチンのロシア」
まずはロシアの経済の歴史とプーチン大統領の行動を見る必要がある。
1) ソ連崩壊後、アメリカの新自由主義者がショック療法と呼ばれる経済政策実施も失敗。
2) 物価高騰し国民が困窮。
3) IMF (*)が経済の立て直しを行うも失敗。
4) 経済の立て直しには失敗するも、その政策を通して民間銀行家が生まれる。
5) その民間銀行家がロスチャイルド家の支援のもと政府に金を貸し、国営企業を自分たちのものとする。→ ロシア経済の支配。政治への介入。
6) プーチンは彼ら民間銀行家(オリガルヒと呼ばれる)の政治への介入を禁止。つまりロスチャイルド家の支配からの脱却を図る。
(*) IMF: 「国際金融、並びに、為替相場の安定化を目的として設立された国際連合の専門機関である。」引用:Wikipedia
IMFは各国の中央銀行の頂点に立つような存在であり、もちろんロスチャイルド家の支配下。
ちなみにオリガルヒの一人であるホドルコフスキーと言う人物はユーコスという国営企業と他社との合弁会社の株式40%をアメリカのエクソンモービル社へ取得させる交渉をしていたが、プーチン大統領が逮捕し、これを阻止した。
ロスチャイルド家が支配しているアメリカによるロシア国営企業の乗っ取りを防いだのである。
続いて2014年のロシアによるクリミアのロシア編入。
これはロシアの圧力による住民投票にて無理やり編入されたと思っている人が多いと思う。
もちろん真相は分からないが、筆者は真実は下記の通りだと言っている。
1. ウクライナとEU間で自由貿易協定の締結を協議もEU側がウクライナにとって不利な条件を提示。
2. 親露派のヤヌコビッチ元大統領がEUとの自由貿易協定の調印を拒否。
3. 調印拒否にに対して反政府デモが勃発。欧米が裏でサポート。
4. ヤヌコビッチ大統領が失脚し、親欧米派のポロシェンコ大統領就任。欧米が裏でサポート。(在ウクライナアメリカ大使がヤヌコビッチ大統領失脚後の人事に関して話しているのをYou Tubeにアップされる。)
5. ウクライナにある不凍港であるクリミア半島のセバストーポリをアメリカに取られる可能性を恐れて、ロシア人中心のクリミア半島でロシア編入是非を問う住民投票実施。
6. 投票率約80%、そのうち約97%の賛成のもと、クリミア半島のロシアへの編入が決定。
プーチン大統領のやり方に賛否両論はあるだろうが、このように彼はロスチャイルド家(アメリカ)の支配に必死に抵抗しているのである。
筆者は
「ロシアを支配するものが、最終的に世界を支配することになる。」
と考えている。
もしかしたら、ロシアも支配され、国境がなくなり、世界が一つになり、世界政府が樹立され、ロスチャイルド家を中心に支配する世界の方が幸せかもしれない。
筆者はロスチャイルド家の支配に関しては徹底的に否定している。
そこで重要な役割を果たすのがロシアということだ。
12月にはプーチン大統領の訪日もあり、日本がどう動くかも ロスチャイルド家が見ているに違いない。
この本に記載されていることが全て真実かどうかは分からないが、新たな世界経済の見方ができるようになったのは大きな収穫である。
・陰謀論に興味がある人
・ロシアに興味がある人
・プーチン大統領が嫌いな人 or 好きな人
今回はおもしろい内容だったので、かなり長くなってしまいました。
まだまだこのブログでは書ききれていないおもしろい内容があったので、興味のある方にはぜひ読んで頂きたいです。
この本で得た視点で経済を見てみると、色々と新たな発見があるかもしれないですね。