【ビジネス】社長の教科書 by 小宮一慶
現在、カザフスタンにある子会社の社長補佐として働いているが、「自分が社長だったらどうするだろうか。」と考えさせられることが多々ある。
また社長補佐ではあるが、私も本社から派遣された人間としてスタッフに色々なことを指示しながら、経営に携わる。
「社長の役割・理想の社長とは」をこの本で学び、社長の隣で補佐として働ける今の機会にその学びを実践し、ただの「学び」を「経験」として自分の糧としたい。
そう思って最近は社長や経営に関する本を読んでいる。
ビジネス本をよく読む方であれば、その名前は一度は聞いたことがあるであろう経営コンサルタント小宮一慶氏の著書である。
社長に必要な力やあるべき姿等をかなり分かりやすく説明してくれ、メモを取る手が止まらなかった。
「お客様第一主義」や「ダム経営」などありきたりな内容も多いが、本書の内容を実践できていないことも多いので、いいリマインドとなった。
この本で学べたこと、と言うより改めて大事だと気付かされたことは主に下記の3点である。
1. Quality、Price、Serviceを的確に組み合わせて、「お客様第一主義」を追求する。
2. 地位やお金ではなく、従業員のおこなった仕事を「褒める」。
3. 正しい信念を持ち、凡事徹底する。
1. Quality、Price、Service (QPS)を的確に組み合わせて、「お客様第一主義」を追求する。
この言葉で今一度自社のQPSについて考える機会を得ることができた。
弊社の場合であればQualityとPriceに関しては代理店から決定されるので、Serviceをいかに向上させ、他社と差別化を図るかにかかっている。
しかしServiceに関してはまだまだ改善の余地があり、お客様第一主義に則り、感動を与え、「この店で買ってよかった。」と言ってもらえる店づくりが必要と改めて考えさせられた。
ただ、「お客様第一主義」を徹底するには理想だけではなく、「余裕」が必要である。
著者は下記の通り、述べている。
ヒト、モノ、カネ、時間に余裕を持った経営をする-それが経営者の心に余裕をもたらし、安定した経営を行える
自分に精神的な余裕がないと、利他的な行動するのが困難なように、会社経営においても経営資源(ヒト・モノ・カネ)に余裕がないと「お客様第一主義」を徹底することは困難である。
そしてこの「余裕」を生み出すために必要なのが、経営の神様である松下幸之助氏が提唱する「ダム経営」である。
景気が良い時に稼いだお金をしっかり貯めておき、常に余裕がある状態を心がける。
これはプライベートにおいても会社経営においても重要であると考える。
2. 給与や地位を与えるのみではなく、従業員のおこなった仕事を「褒める」。
従業員を給与や地位のみで報いると、お金のために手段を選ばなくなる人間や、あるレベルに行くと楽をしようとする人間が生まれてしまう。
そこで従業員を「良い仕事」をしているかどうかで評価し、「褒める」ことが重要とのこと。
著者は経営者が作るべき会社風土を下記のように述べている。
良い仕事を拾い上げ、褒めて、評価し、結果的にそれを給与や地位に反映させる
確かに褒めてもらえると、「誰かの役に立っている」と実感でき、やりがいが生まれる。この褒める仕組みの構築は従業員のモチベーションアップに大変重要であると思う。
しかし、一方でこの「良い仕事」の定義とそれを評価する仕組みづくりは大変困難であると私は考える。
「良い仕事」を行っているかどうかを評価するのに、従業員にヒアリングするのか?取引先にヒアリングするのか?社内営業が蔓延しないか?
上記のように給与や地位に反映させるだけの仕組みを構築するのは極めて困難かと考えるが、「褒める」ことは意識して行いたい。
3. 正しい信念を持ち、凡事徹底する。
経営者を隣で見ていると、毎日いろいろなことが起こり、それに対して判断を行い、決断を下している。
その決断を横で見ながら「自分だったらどうするか。」と考えた時に、この「信念」と言うものがないと判断できないと感じた。
例えば「お客様第一」と言う信念があって初めて、自分や従業員が実施する行動がgoかno goかを判断できる。
また自分の信念を簡単に曲げてしまうようでは、従業員のみに留まらず、お客様の信頼も簡単に失ってしまう。
そこで、小さなことでも自分の信念に従って行動する凡事徹底は経営者として必要不可欠だと思う。
部下に対しても、会社に対しても、ちょっとしたことを徹底できる、もう一歩踏み込めるかどうかで、会社の行く末は変わる
・もちろん現役の社長さん
・経営者を目指している人
「経験も知識もないのに、経営管理なんてできるか!」と言い訳していた入社当時の自分が恥ずかしい。
少なくとも経営に関する知識は読書から得ることができる。
とにかく引き続き本は読み続けよう。